
砕石置換+補強シートによる地盤補強工
構造物の地盤補強
擁壁・ボックスカルバート・調整池・桝・防火水槽などの構造物に対して、従来の砕石置換工法と補強シートによるローコストな地盤補強工法です。地耐力が上回る層までを砕石で置換させるため、杭又は地盤改良工を不要とします。
地盤補償制度の確立
本工法をご採用された構造物では、不同沈下による障害が万が一発生した場合、地盤補償制度の適用対象となります。上限額3億円且つ免責無しという充実内容であり、施工終了後には必ず保証書を発行させて頂きます。
検討書の作成+審査
本工法適用の可否を事前に検討し、その検討書は第三者機関による審査にかけられます。事前審査に通過したご案件のみを適用対象とするため、安心してご設計を進めて頂けます。
ローコスト
使用材料は"砕石"と"補強シート"のみとなり、施工は土工事の一貫として完結します。地盤改良機や専門業者も不要とするため、ローコスト且つ短工期な地盤補強工事を可能とします。
水道が不要
多くの地盤改良工事では大量の水を必要とします。造成工事では水道の確保が難しく非常に大きな問題となることがありますが、本工法では水を不要とするため、水道や給水車の準備は必要ありません。
N値1以上に対応
標準貫入試験結果により、盛土層が砕石以浅であること、自然土による打撃N値が1(回)以上であることが最低条件となります。以上の条件下により適用の可否および置換砕石層厚を検討していきます。
特徴とメカニズム
従来より、軟弱地盤に対する砕石を使用した置換工法は存在しています。本工法においては、硬い砂質土や礫質土までを置換する考えだけではなく、"構造物荷重による地中応力が地耐力を下回る深度までを置換する"検討も行っており、十分な安全性と設計担保(地盤補償)を兼ね備えたローコスト且つ安心な地盤補強工法を実現しています。
一般的に、"地耐力"とは支持力が確保されるだけではなく、沈下(即時沈下・圧密沈下など)による懸念が無い地盤であることを示します。従来、標準貫入試験(ボーリング調査)によるN値のみでは沈下の推察は困難ですが、参考文献に加えて弊社バックデータによる根拠をもとに必要地耐力を確認します。
引張強度に方向性をもたない補強シートを砕石間に敷設した場合、上載荷重に応じてシートには多方面に引張力が働きます。シート自体はコンクリートや地盤改良体のような剛性をもたないため、引張力は強弱をもちながらも敷設範囲全域に作用します。この作用によって、砕石と補強シートとの間には摩擦力が働き、砕石層のせん断強度を高める効果が付与されます。
セメント系固化材を使用する地盤改良工は、条件によっては無くてはならない軟弱地盤対策工法です。但し、専門業者による施工を必要とすることで高額となったり、大量の水を要することや固化材の飛散などの問題が懸念されます。
本工法は外部による専門性を必要とせず、土工事の一貫として地盤補強工事を完結できます。
地中応力の荷重分散について
荷重分散効果を考えた場合、基礎端部から2方向に対して30°の荷重分散角を考慮する設計方が主流です。しかし、擁壁などの境界線付近の設置や、周囲を深堀りする場合には効果を見込むことが危険側となります。また、剛な基礎では無い場合、そもそもが等分布荷重とはならないため、本工法では鉛直方向に対する荷重消散効果を考慮し検討を行っています。
〇 置換砕石の締固めについて
砕石の締固め層厚は200mmを標準とします。締固めに使用される加圧機械は荷重条件によって選定させて頂きます。
〇 補強シート敷設工
補強シートの敷設間隔は600mm層厚毎となります。但し、砕石による全層厚は1m前後を最大目安とするため、一層のみに敷設する仕様となります。
検討に必要となる地盤調査について
標準貫入試験(ボーリング調査)を標準とし、荷重条件によってはスクリューウエイト貫入試験(SWS試験)も地盤調査の対象としております。表面波探査法・平板載荷試験のみの地盤調査は対象外となりますのでご注意ください。また、詳細な土質試験まで実施された場合には、より高精度な検討が行えます。
◎ 標準貫入試験(ボーリング調査)
検討に要する地盤調査結果は、標準貫入試験によることを標準としています。また、盛土層が置換砕石下層以深まで続いていないこと、N値が1以上となる地盤を検討対象とします。
〇 スクリューウエイト貫入試験
構造物の荷重が50kN/m2以下までの場合、スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)も検討対象としています。標準貫入試験も併せて実施された場合には、その結果を主とします。
圧倒的な施工性

掘削根切面には、既定の砕石を撒きだし200mm層厚毎に締固めを行います。砕石に対しての加圧機械は構造物荷重により選定致します。

砕石600mm層厚に対して補強シートを敷設します。重ね代は300mm以上を確保し、シート短辺方向に対して仮固定ピンを打設します。
検討・施工フロー
1.本工法適用可否の(概算)検討
地盤調査データ・配置図・構造物詳細図(平面図・立面図・断面図・その他詳細図時及び計算書(任意)をメールにてご送付ください。最終的に必要となる地盤調査(スクリューウエイト貫入試験)が実施済である場合には、この時点で実行検討書となります。現時点で未実施である場合には弊社近隣バックデータより概算検討を行います。
3~5日間
2.事前審査
"1"の段階で弊社にて適用可能地盤と判断したご案件は、第三者機関にて検討書の事前審査にかけます。概算時においても同様ですが、現時点で概算検討となる場合には"4"にて再度事前審査を行わせて頂きます。
2~5日間
3.御見積書・検討書のご提出
"2"を通過した場合、ご依頼者様へ検討書および御見積書をメールにてご提出させて頂きます。
1日間
4.実行検討書の作成
構造物該当地で実施されたスクリューウエイト貫入試験結果をもとに実施検討書を作成致します。"1"にて本地盤調査が実施済みであれば当該項目はありません。
1~3日間
5.掘削根切工事+下層砕石
(土木工事業者様施工)下層砕石下端までの掘削根切り後、砕石を撒きだし、200mm層厚毎に締固めを行って頂きます。
工程日数
6.補強シートを敷設
(土木工事業者様施工)砕石層600mmに位置に対して補強シートを敷設して頂きます。重ね代は300mm以上を確保します。また補強シートは構造物短辺方向に対して構造物短辺方向に対して敷設していきます。
1~2時間
7.上層砕石
(土木工事業者様施工)補強シート上面に対して上層砕石を撒きだし締固めを行って頂きます。補強シート上層砕石においても200層厚で締固めを行って頂きます。
工程日数
8.均しコンクリート打設~
(土木工事業者様)上層砕石締固め後、型枠・均しコンクリート打設工程となります。土工事の一貫として地盤補強工事が完結するため、他の地盤改良工事と深くして短工期となります。
工程日数
施工フォトギャラリー












Q&A
対象となる構造物とは?
設計地耐力が150kN/m2以下となる構造物が対象(擁壁・ボックスカルバート・桝・調整池・防火水槽など)となります。また、本工法の適用が可能と判断したご案件については、弊社を介された場合には全て地盤補償の対象とさせて頂きます。
工法名の記載がありませんが?
構造物に対応する本工法では"工法名"がありません。従来、良質土または砕石で置換する工法は既に存在し、補強シートとなるジオテキスタイルの原理(摩擦抵抗の付与)は周知の通りです。弊社では材料管理としての"ジオテキスタイル(補強シート)”と"地盤補償"のみのお取引となります(施工は請け負う土木工事業者様施工となります)。また、在来工法となりますのでご設計者様・元請業者様責任下のもと、弊社を一切介さずに施工されることも問題ございません。但し、その場合には責任を担保する地盤補償は及びませんのでご了承ください。
適用できない地盤と必須な地盤調査はありますか?
砕石で置換しても尚、以深に盛土が続く地盤や、標準貫入試験による打撃N値が0の地盤では適用不可としております。
検討のご依頼方法について
地盤調査結果・配置図・対象構造物詳細図を、ご連絡先を添えて下記のメールアドレスまでお送りください。