"砕石"+"補強シート"による地盤補強
地中埋設構造物地盤対策工
地下式調整池・集水桝・防火水槽などの地中埋設構造物に対して、砕石と補強シートのみを使用材料とする地盤補強工法をご提案致します。本工法は、土工事の一貫として地盤対策工が完結するため短工期を実現します。
地盤補償制度の確立
本工法をご採用された構造物では、不同沈下による障害が万が一発生した場合、地盤補償制度の適用対象となります。上限額3億円且つ免責無しという充実内容であり、施工終了後には保証書を発行させて頂きます。
検討書の作成+事前審査
本工法適用の可否を事前に検討し、その検討書は第三者機関による審査にかけられます。事前審査に通過したご案件のみを適用対象とするため、安心してご設計を進めて頂けます。
ローコスト
使用材料は"砕石"と"補強シート"のみとなり、施工は土工事の一貫として完結します。地盤改良機や専門業者も不要とするため、ローコスト且つ短工期な地盤補強工事を可能とします。
水道が不要
多くの地盤改良工事では大量の水を必要とします。造成工事では水道の確保が難しく非常に大きな問題となることがありますが、本工法では水を不要とするため、水道や給水車の準備は必要ありません。
事前配合試験が不要
地盤改良前には強度確保のため事前配合試験を要します。また、セメント系固化材に含まれる六価クロム溶出試験まで併せると約2週間程度の試験日数がかかりますが、本工法では事前試験は不要です。
メカニズム
適正に締固められた砕石は、鉛直荷重に対して強度自体に問題がありません。元々均しコンクリート下部に施される地業砕石は地中内へ荷重を伝達させる目的がありますが、嚙み合わせによる摩擦力で強度が維持される砕石は、上載荷重が及ばない構造物外周部に対しては効果が減少します。
引張強度に方向性をもたない補強シートを砕石間に敷設した場合、上載荷重に応じてシートには多方面に引張力が働きます。シート自体はコンクリートや地盤改良体のような剛性をもたないため、引張力は強弱をもちながらも敷設範囲全域に作用します。構造物の外周部から内側へと作用するシートの引張力は砕石の嚙み合わせ(摩擦力)が抵抗体となり、一面に荷重分散機能が構築されます。
構造物外側で互いの補強シートに引張力を伝達させるには、重ね代にピンを打設するのみとなります。荷重に応じた引張力を発生させるためには、完全固定ではなく適度な緩みを設ける必要があります。
地中埋設構造物の荷重について
地中埋設構造物の多くは鉄筋コンクリート造となります。通常、コンクリート構造物の単位体積重量は1m3当たり24.5kNで計算されますが、内水流入のため中が空洞になります。加えて、既存の土中内に築造されることから、地下ピットと同様に構造物と土の体積重量を差し引いて荷重計算をする理論が成り立ちます。但し、造成工事段階で現況地盤より新たな盛土が施される場合、その盛土内ではこの考えは成立しません。これらより、構造物自体の常時荷重よりも車輛(T荷重)による活荷重がより支配的になるケースが多くなり、本検討時ではそれぞれに対して支持力および沈下量を算出し、構造物自体に有害な沈下が発生するか否かを照査しています。
〇 常時荷重
構造物自体の荷重以外に土被り荷重も含まれます。また、多雪地域では積雪荷重も考慮する必要があります。
これらの荷重は常時作用するため、長期地盤反力として検討を行います。
〇 活荷重
地中埋設構造物上部に作用する車輛荷重(T荷重)は、活荷重として短期的に作用します。
活荷重は短期地盤反力として検討を行います。
検討に必要となる地盤調査について
建設地内における最低1箇所の標準貫入試験結果(ボーリング調査)と、最終的には構造物単位でのスクリューウエイト貫入試験結果(旧名称:スウェーデン式サウンディング試験 ※SWS試験)が必要となります。但し、概算検討時では双方どちらかのご送付でも承ります。この場合には近隣地盤データを併せて検討を行います。特にSWS試験による近隣データは全国レベルで充実しておりますので、標準貫入試験結果を優先に頂けると検討がスムーズとなります。
標準貫入試験結果での確認事項は土質と地下水位であり、検討書はSWS試験を主として25cm単位で実施します。また、土質試験結果があればさらに詳細なことが分かりますので含めてお送りください。
〇 標準貫入試験(ボーリング調査)
建設地内において最低1箇所の調査を必要とします。同調査結果では土質と地下水位を主に確認します。また、土質試験結果があれば併せて検討材料とさせて頂きますので含めてご送付ください。
〇 スクリューウエイト貫入試験
最終的には建設される構造物単位での調査を必要とします。最も低コストな地盤調査方法でありながらも25cm単位で地盤の硬軟を図れるため、検討時には本地盤調査結果を主として行います。
圧倒的な施工性
掘削根切面には、既定の砕石を撒きだし締固めを行います(下層砕石層)。下層砕石の層厚は100mmを標準としますが、地下水位や沈下層との兼ね合いにより標準層厚を超える場合もあります。
下層砕石上面に補強シートを敷設します。シート同士の重ね代は300mm以上とし、敷設後には、上層砕石を撒きだし締固めを行います。上層砕石層厚は100mmを原則とします。
検討・施工フロー
1.本工法適用可否の(概算)検討
地盤調査データ・配置図・構造物詳細図(平面図・立面図・断面図・その他詳細図時及び計算書(任意)をメールにてご送付ください。最終的に必要となる地盤調査(スクリューウエイト貫入試験)が実施済である場合には、この時点で実行検討書となります。現時点で未実施である場合には弊社近隣バックデータより概算検討を行います。
3~5日間
2.事前審査
"1"の段階で弊社にて適用可能地盤と判断したご案件は、第三者機関にて検討書の事前審査にかけます。概算時においても同様ですが、現時点で概算検討となる場合には"4"にて再度事前審査を行わせて頂きます。
2~5日間
3.御見積書・検討書のご提出
"2"を通過した場合、ご依頼者様へ検討書および御見積書をメールにてご提出させて頂きます。
1日間
4.実行検討書の作成
構造物該当地で実施されたスクリューウエイト貫入試験結果をもとに実施検討書を作成致します。"1"にて本地盤調査が実施済みであれば当該項目はありません。
1~3日間
5.掘削根切工事+下層砕石
(土木工事業者様施工)下層砕石下端までの掘削根切り後、設計幅・厚みとなる下層砕石の撒きだし・締固めを行って頂きます。下層砕石層の標準厚は100mmとなりますが、検討段階で地下水位以深となる場合や沈下層の兼ね合いにより厚みが増す場合もあります。
工程日数
6.補強シートを敷設
(土木工事業者様施工)締固め後の下層砕石天端に補強シートを敷設して頂きます。敷設幅は下層砕石幅とし、重ね代は300mm以上を確保します。また補強シートは構造物短辺方向に対して構造物短辺方向に対して敷設していきます。
1~2時間
7.上層砕石
(土木工事業者様施工)補強シート上面に対して上層砕石を撒きだし締固めを行って頂きます。上層砕石厚は100mmとなります。
工程日数
8.均しコンクリート打設~
(土木工事業者様)上層砕石締固め後、型枠・均しコンクリート打設工程となります。土工事の一貫として地盤補強工事が完結するため、他の地盤改良工事と深くして短工期となります。
工程日数
施工フォトギャラリー
Q&A
対象となる構造物とは?
調整池・地下式調整池・集水桝・水路・防火水槽などの地中に埋設される構造物が対象となります。常時荷重に加えて、ご指示が無い限りはT-25を活荷重として検討を行います。また、本工法の適用が可能と判断したご案件については、弊社を介された場合には全て地盤補償の対象とさせて頂きます。
工法名の記載がありませんが?
構造物に対応する本工法では"工法名"がありません。従来、良質土または砕石で置換する工法は既に存在し、補強シートとなるジオテキスタイルの原理(摩擦抵抗の付与)は周知の通りです。弊社では材料管理としての"ジオテキスタイル(補強シート)”と"地盤補償"のみのお取引となります(施工は請け負う土木工事業者様施工となります)。また、在来工法となりますのでご設計者様・元請業者様責任下のもと、弊社を一切介さずに施工されることも問題ございません。但し、その場合には責任を担保する地盤補償は及びませんのでご了承ください。
適用できない地盤と必須な地盤調査はありますか?
腐植土のような高有機質土は、粘性土に比べて圧縮性が大きく変形量が課題となる可能性があるため適用が難しいと判断しております。但し、火山性粘性土となる黒ボク土については洪積層であることが多く、一概に不可とはしておりません。それ以外の土質については構造物による地盤反力と地盤状態を検討し、工法の適用可否を判断しています。また、最終的に必須となる地盤調査については、建設地内で最低でも標準貫入試験(ボーリング調査)1箇所と対象構造物内のスクリューウエイト貫入試験となります。概算段階ではボーリング調査のみでも問題ございません(その場合、近隣スクリューウエイト貫入試験データにて検討を御行います)。
検討のご依頼方法について
地盤調査結果・配置図・対象構造物詳細図を、ご連絡先を添えて下記のメールアドレスまでお送りください。